会場:新発田市カルチャーセンター

受審概況

審査段位 初段〜五段    受審者総数 127名 

合格率  77.1%

初 段 受審者   60名 合格者   57名 不合格者      3名 合格率   95.0%
弐 段 受審者   30名 合格者   28名 不合格者      2名 合格率   93.3%
参 段 受審者   15名 合格者     8名 不合格者      7名 合格率   53.3%
四 段 受審者   10名 合格者     4名 不合格者      6名 合格率   40.0%
五 段 受審者   12名 合格者     1名 不合格者    11名 合格率     8.3%

五段 合格者

井部 友博 (25) 上越市剣道連盟

四段 合格者

吉田 龍市 (20) 三島剣道連盟
加藤 篤輝 (25) 新発田市剣道連盟
茨城 譲 (37) 佐渡市剣道連盟
清野 敏弘 (45) 中之島剣道会

寸  評】  

昇段審査会寸評(新発田会場)             審査委員長 加藤 治

 12/17新型コロナウイルス感染拡大に関し、県より警報が発令されましたが、公共施設の使用禁止に及びませんでしたので、全剣連のガイドラインおよび新発田市スポーツ協会ガイドインに沿って、予防に十分配慮し審査会を実施致しました。

改めまして、主管の新発田市剣道連盟および受審者のご協力に感謝申し上げます。

 今回も、午前(一審査場):初・弐段、午後(一審査場):参・四・五段の入れ替えで実施致しました。

 実技審査におきましては、初段で三名、弐段で二名の不合格者が出ました。正しい切り返しによる基本に則した打突ができていないため、機会をとらえた踏込み打突が身についていないことが大きな要因となっています。切り返しを実施するうえで、特に元立ちは、下記の点にご留意いただき、日々の切り返しを正しく、尚且つ練度に合わせて激しく行わせてください。

 ① 元立ちは、気を充実させて気を合わせ、大きな掛け声を掛けて相手を引き立てるようにさせる。

 ② 機を見て剣先を右に開いて正面を打たせる。最初から面を開けない。2回目以降も、お互い中段の構えから機をみて打突させる。

 ③ 最初と最後の正面打ちは、「一足一刀の間合」から正しく一拍子で打たせる。歩み足にならない。

 ④ 左拳は、頭上まで振りかぶり、常に正中線上を移動させる。

 ⑤ 連続左右面打ちは、「歩み足」で受ける。竹刀を垂直にし、左拳の位置はほぼ腰の高さ、右拳の位置は、ほぼ胸の高さにし、竹刀の打突部で正確に打突部位を打たせる。

 ⑥ 息の継ぎ方は、次の正面まで一息で行わせる。途中で「ヤー」の掛声を入れさせない。

 ➆ 習熟の程度に応じて、「引き込む受け方」や「打ち落とす受け方」を適宜用いて、技能の向上を図る。

また、参段は切り返し・打ち込み稽古により獲得された手の内の冴え・打突の鋭さが身についていなければ、機会をとらえた的確な打突ができません。基本を身に着けることは、指導者の責任と考えます。師弟同行、指導者の責任においてしっかりとした土台作りをお願い致します。

 なお、「正しい着装と礼法」も審査の着眼点となっています。面ひもの結束の位置が上過ぎたり、下過ぎたりしている受審者が見受けられました。「物見(通常、横鉄の六本目と七本目の間)」の反対側の位置で結束してください。安全面からも励行してください。

 四・五段は、「基本と応用を修熟し・錬熟し」ということで、いわゆる理合に則った技が出せているかです。立会では、「後の先」を狙うのではなく、「先の気位」で相手と対処し、正中線を支配し(中墨を取り)、触刃から交刃の間合に入り、相手の「心」と「体」と「術(技・動作)」の変わり際に起こる「きざし」を捉えて技を施すか、相手の仕掛けてきた技に適切な応じ技を施しているかが評価の分かれ道です。「先々の先」を捉える稽古を積み重ねてください。

 残念ながら今回も、形で2名(弐段1名・五段1名)の方が不合格となりました。

四・五段は、指導者としての責務が要求されます。「刀法の原理」「攻防の理合」「作法の規範」を全剣連「日本剣道形解説書」・「剣道講習会資料」を読み込んで、日本剣道形を稽古の一環として取り入れていただきたいと願います。

基本は「木刀による基本技稽古法」で、理合は「日本剣道形」を通して学んでいただき正しく強い剣道を身に着けていただきたいと願っています。今後の更なるご精進を期待しています。