1. 会場:新津武道館

受審概況

審査段位   初段〜参段    受審者総数   155名 

合格率      83.8%

初 段 受審者    88名 合格者    81名 不合格者     7名 合格率    92.0%
弐 段 受審者    49名 合格者    40名 不合格者     9名 合格率    81.6%
参 段 受審者    18名 合格者      9名 不合格者     9名 合格率    50.0%

【寸  評】 

 まさに青天、雲一つ無く見渡す山々も美しく、審査には絶好日となりました。主管連盟の「審査実施にあたっての新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン」に沿い、係員の誘導、受審者の協力のもとで初段から三段までの審査を実施しました。

 
  実技について(これからの受検課題として)「切り返し」は、正面打ちと連続左右面打ちを組み合わせた基本動作です。「構え(姿勢)」「打ち(刃筋や手の内の作用)」「足捌き」「間合の取り方」「呼吸法」さらに強靭な体力を養い「気剣体一致」の打突の習得をもとめています。方法は中段の構えから大きく振りかぶって正面を打ち、中段に復することなく頭上で直ちに手を返し、「送り足」で前進・後退の足捌きを伴いながら、交互に連続して刃筋正しく相手の左面・右面を打ち、打ち終わった段階で中段に復し正しく間合を取り、直ちに振りかぶって正面を打つ。これを2回を行い最後に正面打って残心をとります。切り返しの最初と最後の正面打ちは「一足一刀の間合」から一拍子で打てるようにしましょう。「切り返し」は最も基本となる相対的動作です。
 習得するには次の点についても留意してください。動作を大きく、ゆっくり正確に鍛錬して行きましょう。肩の余分な力を抜いて柔軟に左右均等の打ちになるように。動作は送り足で、後退は歩み足にならないようにします。息継ぎは、正面を打ち相手に接近したところで息を吸い、左右面を打ち終わって間合を取り、正面を打った時点で息を継ぎ残心を示しながら相手の攻撃に即応できるようにします。ここで気をつけなければならないのが頭、腰、膝などで調子をとって体の上下運動を大きくしないようにしましょう。
 稽古を重ね、旺盛な気迫を示し息の続く限り一息で体勢を崩すことなく行えるようにしましょう。今回、切り返しのやり直しをしていた受審者がおりました。注意しましょう。剣道形については概ね良好でしたが、日頃の稽古に「日本剣道形」「木刀による剣道基本技稽古法」をとりいれてほしいものです。学科については再提出者がおりました。剣道を正しく深く理解してもらうための学科であります。日頃から指導者のお話を理解したりして勉強しておきましょう。

 安全に審査を受検するために一言付け加えさせていただきます。今回の審査において「切り返し」「立ち合い」中に転倒する受検者が数人おりました。足捌き、身捌き、竹刀の操法、感覚などが身についていないのではないかと考えられます。十分鍛錬して受検に臨みましょう。今回の寸評は審査の重要な「切り返し」について全剣連「剣道講習会資料」から抜粋しました。
 最後になりましたが今審査の主管連盟の柳新津剣道連盟会長はじめ会員の皆様の尽力に感謝いたし、お礼を申し上げます。
            
 新津昇段審査会 審査委員長  遠山 正宣