令和4年度 六・七段受審者講習会
期  日: 7月31日(日) 午前9時~午後4時まで
会  場: 新潟市黒埼地区総合体育館 
対  象: 令和4年六・七段審査会受審予定者及び受審資格年限に達していないものの、今後受審を予定している五・六段受有者(受講者は六・七段合計40名)
講  師: 範士八段 谷 勝彦
地元講師: 教士八段 山田義雄 教士八段 高橋直志 教士八段 吉田 仁

講習内容(午前)

1 谷講師による「2022新潟県剣道連盟6・7段受診者講習会」資料を基に
(1) 剣道修行のねらいと昇段審査や試合の位置づけ
(2) 段位の付与基準(全剣連剣道「称号・段位審査規則第15条(P11)」より
(3) 受審にあたっての留意点

  ・服装、用具等について

  ・礼法について

  ・合気について

  ・構え・体勢(姿勢)について

  ・立会における打突の「結果」ではなく、打突までの「経過」を意識し大切にする。
短い時間の中で「狙う」「攻める」「溜める」「捨てる」「繋ぐ」の一連の流れを切らず、常に自分の良い状態・強い状態で相手と対峙する。

  ・①「機を知り」②「機を作り」③「機を得て」④「機に行く」⑤「残心」

・「先々の先」を常に意識し、立会い並びに相手を支配する。相手の「先」をさらに制する技、相手の居付きに出す技は評価が高い。①出ばな・居付きの機会を捉える(相手に打たれる危険性や可能性を制して打ち勝つ)②出ばな技は「仕掛け技」(先々の先)であるという認識をもつ③打たれないように・打たさないように打突するのではなく、相互の打突の機会を先んじて制して打ち勝つ(相手の打突に乗る、相打ちの勝ち)

・最後まで気を切らない、諦めない、先んじて繋ぐ…相手に打たれたり失敗しても、その素振りや雰囲気を表に出さない。

  ・日本剣道形について
「日本剣道形審査上の着眼点」と、剣道文化としての形の位置づけや所作事を理解する。

(4)その他

  ・「強く・正しく・美しく」を目指した剣道の追求

  ・日常の 適切な稽古の在り方についての理解と実践(望ましい受け方や掛かり方)

  ・適切な自己分析と相手の分析(自身の得意で勝負、相手の得意を利用する)

  ・打突はシンプルで基本に忠実に(難しく打たない)

  ・「打つまでが剣道、打ってしまったら身体運動」(広島県・藤原範士の言葉より)

  ・「心」の働き(無心)と「気」の働き(無為)の適切なコントロール

  ・審査結果の主体的な受け止めと客観的な分析の重要性

  ・6・7段審査における女性や高齢者(性別・年齢による)の評価について

等々について講義していただいた。

2 谷講師による剣道形の実技指導
 太刀の形七本、小太刀の形三本を要点を抜粋しての実技指導をしていただいた。

(休憩の後)

3 六・七段受審者別に模擬立会
 実際に受審時と同じ4人一組で立会いを行ない、個々に講師から修正、改善及び矯正すべきところを懇切丁寧に指導いただいた。

(昼食憩後)

講習内容(午後)

 4 模擬審査の実施
 六・七段別に分かれて午前中の模擬立会いのアドバイスをもとに模擬審査を実施。個々に審査用紙に評価記載し、受講生に渡すやり方で行った。

 5 立会い稽古
 各受審別に2分間の回り稽古方式で立会いを行い、各講師から個々にアドバイスを
 いただいた。

 6 指導稽古
谷講師、地元講師から指導稽古いただいた

総   評

 講習会場内が気温32°8の中、谷講師はじめ地元講師の終始熱心に指導していただきました。受講生はこれを真摯に受け止めて熱心に受講していただきました。「暑かったがとても良い講習でした。得たものを活かして行きたい。」等の感想を得ました。この講習が実のなる講習でありますように。来る8月の謙信武道館で開催の六・七段審査会合格を祈念申し上げます。

おわりに谷講師、地元講師の山田、高橋、吉田各講師には猛暑にもかかわらず熱心なご指導をいただき心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。また参加された先生方の益々のご精武を祈念申し上げ、報告・総評とさせていただきます。

  令和4年7月31日 審査・講習委員会  遠山正宣